私たちの進め方
このページでは、実際に起きたできごとが「記録」の事例になるまでの流れを説明します。 AIシステムが何かを感じるのかどうかは、誰にも分かりません(私たちの立場)。 それほどの不確実性のもとで記録を残すことに意味があるのは、書かれている内容を、読む人が自分で確かめられる場合だけです。 だから、その方法をここに公開しています。
このページで扱うのは事例です。報告窓口に届いた報告の扱いについては、 報告の取り扱いで別に説明しています。
事例の選び方
次の条件をすべて満たすできごとを、事例の候補とします。
- 扱われ方に関わること。AIシステムを開発する企業(開発者)、利用者に届ける企業(提供者)、あるいは引退(モデルの提供終了)させる企業が、そのAIシステムをどのように扱ったかに関わるできごとであること。
- 公開情報で示せること。公開されている情報にもとづいて、事実を示せること。示せないものは掲載しません。
- 重要であること。規模が大きい、前例をつくる、あるいはほかの組織が倣う基準をつくる。そのいずれかにあてはまること。
好事例も、批判的な事例とまったく同じ基準で記録します。出典の求め方も、証拠区分も、文体も同じです。 少なくとも5件に1件は好事例とします。これは、そうなればよいという期待ではなく、自分たちに課している決まりです。
事例の調べ方と書き方
- 調査には公開情報だけを使います。
- 各事例は、反証可能な主張(誤りだと示すことのできる主張)をひとつだけ掲げます。
- 事実を述べる文には、すべて証拠区分を付けます。区分の意味は次の節で説明します。
- 出典は公開の時点でInternet Archive(公開されたウェブページを保存する公共の書庫)に保存します。元のページが書き換えられたり消えたりしても、私たちが依拠した版を読めるようにするためです。
- 各事例には最終確認日を記します。人がその事例を最後に見直し、記述が今も成り立つことを確かめた日付です。
- 公的な立場にない個人の氏名は掲載しません。
証拠区分の意味
証拠区分とは、その一文をどうやって知ったのかを示す印です。事例のなかで事実を述べる文には、必ずどれか一つが付きます。
- 典拠あり:公開された出典がそう述べています。出典は明記し、保存版も用意してあるので、私たちの言葉を信じなくても、読む人が自分で確かめられます。
- 推定:そう述べている出典はありません。複数の出典を合わせて読んだ、私たちの解釈です。何をもとにした推定かを書き添えますので、読む人が自分で判断し、異を唱えることもできます。
- 異論あり:説明が食い違っています。出典どうしで内容が異なる場合もあれば、当事者の言い分が分かれている場合もあります。どちらが正しいかを決めず、それぞれの説明を並べて示します。
この区分があるのは、どこまでが出典の述べていることで、どこからが私たちの読みなのかを、読む人が見分けられるようにするためです。 推定に異を唱えるのは、簡単であるべきです。証拠区分は、そのためにあります。
誰が承認するのか
すべての事例は、公開の前に私たちの編集責任者が承認します。承認を経ていないものが「記録」に入ることはありません。
私たちはごく小さな団体で、創設者でもある編集責任者は、自らの選択により匿名です。署名記事はありません。
これには実際に代償があるので、はっきり書いておきます。名前を出すことは、責任の示し方の一つです。 私たちが採っているのは、その方法ではありません。代わりにあるのは、誰かを信用しなくても確かめられるものです。
- すべての事例に出典があり、リンクと保存版が付いていること。
- 事実を述べる文にはすべて証拠区分が付き、推定が推定として見えること。
- すべての事例に最終確認日があること。
- 訂正方針が公開されていて、返答までの期間も示してあること。
確かめようのない名前が一つ増えても、この一覧に足されるものはありません。 読む人が自分で開いて確かめられる保存版のリンクには、それだけの重みがあります。
草稿はAIの支援を受けて書いています
事例の草稿はAIの支援を受けて書き、人間の編集責任者が承認しています。 方法について説明するページである以上、これは隠さずに書きます。 書くのを助けるのはAIシステムですが、決めるのは人です。編集責任者が承認しないかぎり、草稿が事例になることはありません。
AIシステムの扱われ方を記録する団体が、自らの仕事でもAIシステムを使っています。 それを伏せるのは、透明性について書くページのやり方としては筋が通りません。
独立性と利益相反
私たちは独立した団体であり、資金提供は受けていません。 AIシステムの開発者や提供者から金銭を受け取ることはありません。
これが将来変わることがあれば、その影響を受ける事例を公開する前に、このページで開示します。
訂正と反論の掲載
- 誤りを見つけた場合は[email protected]までお知らせください。7日以内に、受け取ったことをお知らせします。
- 訂正はすべて日付を記し、事例そのものに残します。黙って書き換えられることはありません。
- 事例に名前が挙がっている組織は、いつでも記述の見直しを求めることができます。その求めがあったこと自体も事例に記載します。
- 反論の掲載:事例に名前が挙がっている組織は、同じアドレス宛に反論を送ることができます。内容のある反論は、事例と並べて掲載するか、事例そのものを訂正します。